結論、限りなく最高。人の目がなく際限なく散らかしてしまう一人暮らしこそ買うべし。
「狭い部屋だから……」「買ってもどうせ床散らかりっぱなしでまともに動かせないから……」
そう思ってブラウザバックし、1ミリも人生の役に立たないYouTube Shortで時間を溶かす前に前にどうかこの画像を見てほしい。

2/2 20:18。会社から帰った瞬間の部屋の写真である。
決してこのために掃除をしたわけではない。
メイドが全てを片付けてくれたわけではない。
ましてや俺が綺麗好きなわけでもない。
ひとえに、ロボット掃除機が掃除するから床に物を置いてはいけない、という強制力が怠惰な自分を律し続けた結果である。
今回は自分が購入したロボット掃除機SwitchBot K10+ Proの正直なレビューをするが、それは単なる前座である。
むしろ一人暮らしでロボット掃除機を買うメリット(単に床を掃除してくれる以上の副次的効果があること)を伝えたいので、最後まで読んでくれると幸いである。
1. なぜ欲しいか
もともとは欲しくなかった。
というより、上で書いたように床に物が散らばっていると使えないロボット掃除機という存在を侮っていた。

だが、こんなことを言っておきながら怠惰人間の自分は一人暮らしを始めるやいなや、部屋の汚さが加速度的に増大。
そんな時過去の自分の思想を思い出した。
床に物が散らばっていると稼働できないロボット掃除機という存在は、我儘で融通の利かない無能ではなく、床を散らかす怠惰な自分を律してくれる上位存在として活用できるのではないかと。
こういった経緯で、ロボット掃除機を我が家に迎え入れようと決断した。
2. ロボット掃除機の選定
ロボット掃除機を買うにあたり、欲しい機能を何点か絞ってみた。
とにかく「なるべく掃除に関わりたくない」というのが基本的なスタンス。
- スケジュール清掃機能:一々掃除の指示をしたくない。
- ゴミ自動収集機能:ロボット掃除機に溜まったゴミをゴミ箱に捨てる回数をなるべく減らしたい。
- モップがけは不要:モップがけのために水を交換したりタンクを掃除する必要が出たら本末転倒。
- コンパクトサイズ:一人暮らしのワンルームで狭い隙間も掃除してもらうため。
というわけで色々と調べてみたが、ロボット掃除機の市場ではほとんどのモデルが直径30cm程度に収束していた。
確かにコンパクトモデルだとサイズの制約がある以上大型モデル並みの出力を出すことが難しい一方で一度に掃除できる範囲も狭く、スペック競争では分が悪い。
また、ロボット掃除機の「便利家電」という立ち位置はある程度部屋の広いファミリー層、共働き世帯をメインのターゲット層とする。
そうすると各社とも単身向けコンパクトモデルにあまり力を入れないか、入れても機能の抑えられたエントリーモデルになるのは仕方ない。
そんな中、通常サイズと比較しても見劣りしないスペックを搭載したコンパクトモデルを出しているのがSwitchBotだった。
SwitchBotではコンパクトロボット掃除機としてK10+、K10+Pro、K11+の3モデルを展開している。
主なスペックの違いは下記の通りとなる。
| K10+ | K10+ Pro | K11+ | |
| サイズ(本体) | 横248×奥行248×高さ92(mm) | ||
| サイズ(ステーション) | 261×210×323 | 240×180×250 | |
| センサー | LDSレーダー | LDSレーダー、PSD距離センサー | |
| 吸引力 | 2,500Pa | 3,000Pa | 6,000Pa |
| 水拭き | 使い捨てのお掃除シートを利用 | ||
| 自動ゴミ収集 | 4Lのダストボックス | ||
| 参考価格(Amazon定価) | 49,800円 | 64,800円 | 59,800円 |
| 参考価格(Amazonセール時) | 24,980円 | 34,980円 | 49,800円 |
K10+とK10+Proの違いはセンサー性能、ブラシ形状、吸引力となる。
個人的にはセンサー性能が向上したK10+ Proを推したいところ。
LDSレーダーは部屋の間取りを認識する機能で、PSD距離センサーは家具など障害物との距離を測る機能になる。PSD距離センサーが搭載されているK10+Proでは障害物をスムーズに回避できるだけでなく、距離を正確に測定することで壁際や隙間の掃除にも強くなっているとのこと。
K10+ProからK11+でも吸引力とブラシ形状が進化している他、ダストボックスの容量を維持しつつステーションのサイズを抑えている。
特にステーション高は7㎝以上低くなり、ベッド下などこれまで収まらなかったスペースへの設置の幅を広めた点で評価したい。
自分は題名にもある通りK10+Proを購入した。
K11+にしなかった大きな理由は「センサー性能に変更なし」「吸引力は上がったが、フローリングでは過剰」「ステーションはコンパクトになったものの、間取り上置く場所自体は変わらない(ステーションを小さくした恩恵を与れない)」の3点。
センサー性能はマッピングや障害物検知に関わり掃除の効率を大きく左右するが、ここに進化が見られない以上効率はあまり変わらないはず。
また、吸引力はフローリング敷きの我が家ではそこまで必要ないと判断したし、実際その通りだった。
ステーションのサイズ云々は完全に自分の都合だが、あと数センチ低くIKEAのLIXHULTに収まるサイズだったら迷っていたかもしれない。
この辺りは環境や間取りによって最適解が変わってくるので、参考程度にしてもらいたい。

他にも候補に挙がったメーカーをささっと紹介していく。特に深い意味はないのでここもどんどん読み飛ばしてほしい。
まずは品番が多すぎてもはや検索汚染でお馴染みのAnker Eufyシリーズ。そもそも小型サイズがないうえ、性能が高いものには総じてモップがけ機能がついてしまっている。
購入当初全く気付かなかったが、ステーション高が低いEufy Auto Empty C10シリーズはかなりありだと思う。
高さは驚異の21cm。LIXHULT下のスペースにもすっぽりフィットしてしまうではないか。
惜しむらくはステーションのダストタンク容量が3Lと少々小ぶりなこと。とはいえそれであの低さを実現しているのだからトレードオフと割り切れる。
続いてはDEEBOT。ブランド名のECOVACSの方が聞きなじみがあるかも。
DEEBOT miniシリーズのコンパクトさには惹かれたが、使わないであろうモップがけ機能と水タンクにスペースを取られてダストボックス容量が1.8Lと前述のEufy Auto Empty C10を下回る少なさはいただけない。
最後にルンバ。一昔前はルンバにあらずんばロボット掃除機にあらずといった感じだったが、中華メーカーの怒涛の追い上げがすさまじく、今は完全に海の底へと沈んでしまったようだ。あまり良いニュースも聞かないし。
一応公式サイトを覗いてはみたのだが、なぜか業界の覇権を取ったアメリカの企業は定量的なスペックを言おうとしないので何も買う気にならなかった。
主語がデカすぎる?はい、アップルとルンバだけです。他にもあったら教えてください。

3. 買ってよかったところ5選、よくなかったところ3選
まずは買ってよかったところ、満足しているところから。
1. 自分自身が床に物を置かなくなり、部屋が綺麗になった
本当にこれに尽きる。ロボット掃除機導入で期待していた副次的効果は想像通り、いやそれ以上だった。
一人暮らしの身にロボット掃除機という上位存在を設けるとどうなるか。マジで床に物を置かなくなる。
少なくとも床の上に散らかしておくということがなくなり、最低限どこかの棚に置いておくとかに変わる。
棚の上に置きっぱなしも床の上に置きっぱなしも、あるべき位置に戻していないという点では同じなのではないか。
否、似て非なるものである。棚があるということは、その床面積は既に棚に占有されている。
その棚に物を置こうが占有する床面積自体は変わらない。
一方で床に物を置くと、本来床だった場所が物に占有され、可処分床面積が減ってしまうわけである。
だから棚の上に置くだけでも意義がある。
まさか怠惰な自分がここまで部屋をきれいに保てるとは。
お前の「怠惰」が相対的にマシなだけと言われたらそうなのだが、強制的にこちらの意識を矯正してくれるという点でとてもありがたい。

2. フローリングで使う分には十分な吸引力
ロボット掃除機を買ったインフルエンサーは言う。猫砂が吸えない、長毛が絡まる、と。
不安を覚える必要は全くない。安心して購入してください。
一人暮らしがペットなんか飼うはずもなく、もはやロボット掃除機がペットである。椅子にぶつかり方向を変える姿には愛おしさすら覚える。
無から湧いてきたとしか思えない毛と埃だけが落ちている生活で吸引力に不満を覚えることがあるだろうか?いやない。
真面目な話、自分は上から二番目のモードで清掃しているが、このモードの吸引力は1,600Paである。
Ankerが20,000Paのハイエンドロボット掃除機を出している中、1/10の吸引力。
床がフローリングという事情もあるにしても、いかに昨今のロボット掃除機のスペック競争が過熱しているかがわかる。
3. ゴミ自動収集機能という名の人権
別にK10+Proを買わないにしろ、ステーションへのゴミ収集機能を有している製品を買うことを極めておすすめする。
ゴミを自動収集してしまえば、人間がやる作業は数か月に一回のお手入れとダストボックスの交換程度となり、いよいよ日常的にはロボット掃除機に関わることがなくなり、掃除から解放された日常を過ごせる。
4. 便利なアプリ連携
SwitchBotアプリ内では掃除の開始/終了の指示、スケジュールの設定、掃除ログの確認、その他各種清掃の設定が可能。
その中でもスケジュール清掃が便利。平日は基本日中不在にしているので毎日昼の12時に掃除をするよう組んである。
ただ、有名メーカーであればどこも備えている機能ではあるので特にSwitchBotに限った話ではない。

また、GoogleHomeとSwitchBotアプリを紐づけることで、音声で清掃の開始/終了の指示ができる
「10分後に掃除を開始して」のように時間を指定するくらいは可能だが、それ以上の複雑な操作や設定の変更は不可能。
ここがもう少し拡充してくればより便利になるとは思うが、ロボット掃除機に求めているのはルーティンワークなので音声操作をすることは少なく、現状のままでも特に不満はない。
5. 掃除機よりも静かな稼働音
通常の稼働音は掃除機よりも静かで、下記の通り。スマホの謎アプリで測定した数値なので信用に足るかは分からない。
少なくとも掃除機をかけるよりは十分に静かであることは実感しているし、数値にも表れている。
- 静音モード…45dB
- 標準モード…50dB
- パワフルモード…53dB
- MAXモード…55dB
- ゴミ収集時…67dB
- (参考)日立コードレス掃除機標準モード…60dB
- (参考)日立コードレス掃除機強モード…68dB
問題はステーション内部のダストボックスにゴミを吸い上げる際の音で、これが控えめに言ってうるさい。
ただ時間は15秒程度なので、トータルで考えれば掃除機をかけるよりも隣人に迷惑はかけないはず。
吸い上げ時間もある程度選択の余地がある(10、15、25秒)のも、清掃範囲の部屋差に応じて必要十分な時間を選ぶことができ、好印象。
次に不満点。
1. 清掃効率
ここは完全にコンパクトさの弊害が出た形になる。
一度に掃除できる範囲が少ないので時間がかかるのは仕方ないが、廊下を入れても9畳の空間に25分もかかるのは正直いただけない。
ただ決して掃除効率が悪いわけではなく、部屋中を垂直方向と水平方向に一回ずつ清掃しており無駄はない。
またマッピングも正確だが、こちらは物にぶつかってから挙動を変える感じはある。バンパーが付いているので多少の勢いは軽減されるが、ごみ箱など軽いものだと動いてしまう。
スリッパにぶつかってそのまま巻き込んで掃除してしまうケース、コード類に絡まったケースも観測したので、全般的に背が低く軽いものの認識は苦手なようだ。
ただ、そもそもそういった類の物を地面に置かないというゼロ次安全的な意識作りが大事。

買う際の要件の一つに掲げたコンパクトモデルだが、ここはこだわらなくてもよかったと後から気づいた。
直径25cmなら入れて30cmだと入れないようなスペースがあなたの家にあるだろうか。
もしあったとして、家具の配置を変えてそのスペースを広げることはできないだろうか。
そこまで考えてからはじめてコンパクトモデルを検討することをお勧めする。
2. 水拭き機能はあくまでおまけ
水拭き機能はあるにはあるが、気休めレベル。
一応水拭きシートをロボット掃除機につける簡易的な機能は備わっているが、シートに水分を補給できないので水拭きシートの水分がなくなればただの乾拭きになる。
モップを地面に押し付ける加圧機能も備えていないので、本当にシートで床の表面をなぞってるだけ。
モップ掃除に惹かれてこの機種を買う人はいないと思うが、念のため。
3. 5GHzのWiFiに非対応
K10+ProはスマホのSwitchBotアプリを通じて初期設定を行う際にWiFiに接続するのだが、周波数帯が5GHzだとK10+Proと接続ができない。2.4GHzしかダメ。
初期設定だけなので実害はあまりないが一応頭に入れておいたほうが良い。
SwitchBotの説明としては、安定性を理由に2.4GHzのみの対応としているとのこと。
4. 体験した不具合とその対策
半年ほど使う中で、自動ゴミ収集機能に不具合が出たので共有しておく。
家にいない時間帯にスケジュール清掃を組んでいるため全然気づかなかったのだが、二か月ほどか月ほどゴミ収集機能が全く働いていなかった。
本来は掃除を完了しステーションに戻るたびにゴミ収集するはずが、掃除機本体にずっとゴミが溜まりっぱなしだった。
ステーションの位置を変えたり、ステーションの蓋を閉めなおしたり、ダストボックスを交換したりしたのだが全く効果なし。
結局、ステーションの電源を入れなおし、ロボット掃除機本体の再起動をすることで何事もなかったかのように直った。
特に面白みもなく共有する意味もない不具合ではあるのだが、ツイッター(現エックス)で「PCに不具合があったらとりあえず再起動をしてくれ」といった類の情シスのつぶやきが定期的にバズり散らかしている意味が分かった。謎の不具合は再起動に尽きる。
Switchbotの製品は他にも使用しているが総じて挙動の安定性に難があるイメージ。
製品のコンセプトというかアイデア自体はすごく良いので、アイデアを買っていると思えばまあ納得はできる。
5. ロボット掃除機は掃除機の代替になるか?
こんなに便利なら従来の掃除機は必要ないのでは?とここまで読んできた読者諸賢なら思うかもしれない。
実際自分もその危うい思考にはまりかけた。
が、結論から言うとロボット掃除機ですべての掃除をカバーはできない。
掃除を定常と非定常の2つに分けた場合、ロボット掃除機にとって「片栗粉を床に落としてしまう」みたいな予期しない汚れが発生した際の非定常な掃除が非常にネックになる。
なぜなら非定常の汚れに対して求められる「ピンポイントで、咄嗟に」という対応が向いていないから。
もちろんアプリから掃除範囲を指定して運転させることもできなくはないが、掃除機をかければ5秒で終わる。
ロボット掃除機はあくまで定常的な掃除の代替という認識がよい。
なので、一人暮らし始めたてで経済的な余裕がなくどちらか一方しか買えないのであれば、まずはスティック型の掃除機を買うことを勧める。
最低限の機能を持ったコードレスのスティック掃除機とコスパに優れたロボット掃除機の二台持ち。これが最強の布陣だと思う。

6. まとめ
ロボット掃除機のレビューでこんなことを言ったら元も子も無いが、最近のロボット掃除機はクオリティが高い。
有名なメーカーできちんとしたセンサーの付いているモデルを買えば、程度の差こそあれ価格なりの働きはしてくれる。
今回SwitchBot K10+Proを買って個人的には本当に満足しているが、この機種だからというよりもロボット掃除機を導入したことに満足している側面が大きい。
どのロボット掃除機を買うかではない。ロボット掃除機を買うか買わないか、それが問題なのである。
たとえ一人暮らしであってもロボット掃除機を買うべし、床が汚い人間こそロボット掃除機を買うべし。そんな結論でこの記事を締めたいと思う。